第29回CAPS研究会 9/19 兎田幸司先生(早稲田大学)

講演者: 兎田幸司先生 (早稲田大学 高等研究所・講師)

日 時: 2018年9月19日(水) 15:00~16:30
場 所: 関西学院大学上ケ原キャンパス F号館304号教室

タイトル:比較認知神経科学の展望

要旨:

今、様々な学問領域において、これまで「常識」とされてきた事実が見直され始めてきている。その背景には、凄まじい勢いで進む現代の技術革新と、システムやプロセスの効率化が存在する。技術的な革新と分野の枠を超えた動きが、心理学・神経科学の研究の水準を一変させている。現代は、人類の歴史において初めて、これまで思索を重ねることで積み上げられてきた問題の数々について、科学的な手法を用いてアプローチすることができるようになってきた時代だと感じる。昨今、神経科学のトップジャーナルにおいて、”Neuroscience Needs Behavior”という展望論文が発表され、話題になっている(Krakauer et al., 2016)。分子生物学的な技術革新が先行する時代において、行動や学習の理論、そして何より、行動を観察し、分析する感性といったものの必要性や重要性は、浮き彫りになる一方である。僕はこれまで、物質である脳の神経細胞の活動から、どのようにして「こころ」といった主観的体験が生まれるのか、という疑問に衝き動かされて、ハト、サル、マウスを用いて心理学的・神経科学的研究を行ってきた。本講演では、自己認識、他者理解、時間認識、行動の習慣化といった研究を紹介する。僕自身が関わってきた動物実験の研究の紹介を通して、「比較認知神経科学」という歴史の浅い学問の展望を紹介できればと思っている。

◯参加に際し、文学部・総合心理科学、文学研究科・総合心理科学専攻の方の事前連絡は必要ありません。
それ以外の方は、教室変更時などのお知らせのため、高橋(fjq61112[at]kwansei.ac.jp)まで、ご一報いただきますと幸いです(必須ではありません)。